世界最高の起業家、イーロン・マスクの挑戦。

「世界最高の起業家」と謳われるイーロン・マスク。彼が挑戦する革新的なプロジェクトを10回に渡り、研究します。

マスクの

最終回となる第10回は前回に引き続き、Space X社の火星移住の課題と、当社が手がけるもう一つの事業について述べていく。

 

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火星への過酷な道のり

 

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火星行きミッションに参加する最初のメンバーの座をめぐっては、激しい競争が繰り広げられることが予想されるが、彼は、「初めて刻まれる足跡」に過剰な注目が集まることを懸念する。

 

より広い歴史的文脈の中で本当に大事なのは、多数の人々。数十万とはいかないまでも数万人を送り込み、最終的に数百万トンの貨物を届けられることです

 

と言う。

 

私は最初の数回よりも、むしろそちらをずっと気に掛けています

 

つまり、火星に居住地を建設するという彼の構想は長期的なものであって、一回性のものではないということだ。

 

当社は現在、民間のクライアントや米国政府と契約して国際宇宙ステーションISS)に人を輸送できる宇宙船「ドラゴン」の最新版を開発している。

 

この数年、スペースXは多くの成功例で注目を集めてきた。例えば完全には軌道に入らなかったが、再使用可能なロケットの一部を切り離し、洋上と地上で初めて回収した。一方、失敗もあった。ロケットが発射台の上や軌道に向かう途中で爆発したのだ。

 

こうした失敗は、大きな技術開発では驚くにはあたらない。だが、火星に人を送るのは、地球軌道に送るのとも、月に送るのとも全く異なる挑戦だ。目標が「ほんの数回行ければいい」という程度でないのなら、なおさらハードルは高い。彼は、

 

我々が避けたいのは、アポロ計画の繰り返しです。たった何人かを送るミッションを数回やって、あとは二度と行かないということは望んでいません。それでは、多惑星を人の住みかにするという目標の達成にはなりません

 

と述べる。自立した第2の居住地を太陽系の中に作るという彼の最終的な構想は、壮大で高遠だが、決して独創的というわけではない。長きにわたって作られてきたSFとの違いは、彼の計画が本当に実現可能かもしれないという点だ。ただし、理想とする水準までコストを下げられればという条件がつく。

 

 IACでの委員会で、NASAのチャーリー・ボールデン長官は

「事業家の皆さんは、超音速の逆推進など、我々が考えながらもまだ準備ができていない問題を検討できています」

と評価した。

 

だが火星が実際の行き先になるには、輸送費用を約20万ドル(約2000万円)にまで下げる必要があるとマスクは言う。米国の平均的な住宅価格と同程度だ。それでも、現在見積もられているコストより大幅に安いのだという。

彼は自社だけで全て成し遂げられるとは期待していない。

 

政府や民間産業との、何らかの相乗的関係が不可欠

 

と述べている。

 

この分野の大きな目標に向けられている民間の活力からも、政府資源からも、できる限り多くを得たいと考えています。どちらかの資金源がなくなっても事業を続けられるように

 

しかし、課題もある。異なるマネジメント手法やリスクの引き受け能力、資金源をまとめること、古い画一的な開発ロードマップに従っていることなどが立ちはだかるのだ。マスクはTeslaなど別の企業においても提携、または買収した企業に対して自社の製品にフルコミットすることを強要し、その結果他社との関係悪化、という事態も少なからず起こしてきた。

 

ではどうすれば、それらすべてがうまく機能するのだろうか。

例えば、2020年代に火星に到着するには、当社は技術面で多少の活を入れられる必要がある。シミュレーションで使われた巨大なロケットは、現時点で同社が持つどのロケットよりはるかに強力だ。ファルコン・ヘビーの名で知られ、火星への大きな足掛かりとなる未来型のロケットだが、最初の打ち上げはもう何年も延期されている。

マスク自身もスケジュールについて

 

良く言っても不透明

 

と認めているが、このような遅れは、宇宙政策の専門家がマスク氏の計画に懐疑的な理由の1つだ。

 

「過去の実績に照らせば、『そうだね、彼は今まであらゆる目標期日を達成できなかったけど、今度は大丈夫だよ』とは言えません。ですから合理的な姿勢としては、『実行できれば信じる』ということになります」と専門家は語る。

 

人類が本当に火星に行くことができたら、その快挙ではずみがつき、さまざまな発展を後押しすると彼は考えている。かつて栄光や金、香辛料を求めた冒険家たちが、造船技術や世界の産業を発展させたのと同じだ。

やがては、こうした努力により火星はSFの世界から抜け出し、困難と危険でいっぱいの世界から、マスク氏も含めた人々が生活を楽しめる世界へと変わるだろうというのが、彼の考えだ。

 

火星は素晴らしい行き先になるでしょう。無限の可能性がある惑星になりますよ

 

火星移住を現実のものにするにはあまりにも技術や資金が足りないというのが現在の状況ではあるが、過去の回で述べてきたNeuralink、Boring Company、 Solar City、Tesla、Open AIを見ると、マスクが今まで起こしてきた実現不可能とも言える事業はどれも成功への道を歩みつつある。

 

彼ならば今まで人類がなし得なかった他惑星移住も我々が生きている間に実現するのかもしれない。

 

Space X のもう一つの事業

 

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当社は、「火星に人間が住むことを可能にする」という壮大な目標のもとで設立され、「宇宙植民地」の夢をもち続けてきた。だが同社は、地球上の生活までも改善しようと試みている。

 

あらゆる土地に高速なインターネットアクセスを提供するために、1万1,943基もの人工衛星を打ち上げることを目指しているのだ。

 

Space Xが米国連邦通信委員会(FCC)に提出した資料によると、当社はこれらの人工衛星を使って、ネットにアクセスできていない世界人口の57%を含むあらゆる人たちをオンラインにすることで、「本物」のワールド・ワイド・ウェブをつくることを目指している。

 

これまで人工衛星を利用したネット接続サービスは、成功するような事業ではなかった。過去にチャレンジしたイリジウムやスカイブリッジなどの企業は、いずれも姿を消したか破産手続きに入っている。彼はその前例を変えたいと考えているが、同じ考えをもっているのは何も彼だけではない。OneWebというスタートアップは2018年、手始めに600基を上回る最初の人工衛星を打ち上げる予定だ。Facebookも「Internet.org」通じて、ネットにアクセスできていない人々への接続サーヴィス提供に資金投下している。

 

しかし、当社が大量の人工衛星を打ち上げる目的として、もう一つの理由が考えられるという。それは販売用の写真を撮影することだ。

 

衛星から撮った地球の画像や分析データを販売する地球観測ビジネスは好調で、Planetのような新興企業でひしめき合っている。同社は現在、民間としては最大規模の人工衛星ネットワーク(149基)を擁しているが、それもほかのスタートアップによってすぐにリプレイスされるだろう。ここにSpace Xのような有名企業が参入すれば、1万を超える人工衛星群に地球を撮影する装置を搭載し、瞬く間に新興企業を押しつぶしてしまうかもしれない。

 

いまのところ当社は、人工衛星にカメラを搭載する計画については明らかにしていない。そしてマスク自身も、その可能性についてコメントすることも、社内のエンジニアにインタヴューを許可することも拒否している。にもかかわらず、人工衛星にカメラを搭載するといういくつかの兆候がある。スペースXが2019年初頭に打ち上げを計画している、4,425基の最初の衛星群は、地表からかなり上空を周回する予定だ。これは、地球を撮影するには遠すぎる距離だ。しかし、約7,500基の第2の衛星群は地表から350kmから400kmと、人工衛星としては非常に低い高度に打ち上げられる。

 

地表に近ければ近いほど引力の影響は増加し、衛星は高度を維持できなくなる。大気圏で燃え尽きるのを避けるために、頻繁に軌道を調整する手間も生じる。にも関わらず低軌道に打ち上げるのは、インターネット接続の安定と高速化だけでなく、撮影にも役立つからだと推測される。

 

ネット接続サービスと撮影という「二重の目的」には、課題もある。当社のビジネスの大部分は商業用通信衛星の打ち上げによるものだが、もし同社が独自の衛星群を打ち上げれば、顧客との競合になると予想される。他社との契約には、Facebookが主導するInternet.orgへの衛星供給案件も含まれる。

Space Xの思惑は置いといても、ネットワーク事業そのものはとても有意義で魅力的なものに見える。火星移住事業より実現可能性は高そうなので、ぜひ早いうちに実現してほしい。

 

最後に

全10回に渡って世界最高の起業家、イーロンマスクの手がけるプロジェクトについて見てきた。どの事業もまだ完全な成功をおさめた訳ではないにも関わらず、彼が世界中の人を魅了し、そこに実現可能性を感じるのは、彼が常に人々がワクワクするような大きな夢を世界に発信し続けてきたからだろう。

 

彼はよくビルゲイツやスティーブジョブズと比較されるが、彼には他の二人がなし得なかった「持続可能なエネルギー開発」というとてつもなく大きなことを成し遂げようとしている。

 

次は彼はどんなことで人々を驚かせてくれるのだろうか。目が離せない。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

マスクの掲げる火星移住計画とその課題

2001年、彼は「火星に人を送り込む」という目標を胸にペイパル社時代に積み上げた財産でスペースX社を設立した。

 

当時のことをマスクはこう回想する。

 

アポロの月面着陸ミッションが成功してから、なぜ人類は火星にまだ行っていないのか、あるいは月より遠くに全く行っていないのかと、考えている自分がいました

 

今ごろ火星に到達していてもいいはずなのにと、いつも感じていました。月に基地があってもいいのに、宇宙ホテルとか、その他いろんな物があってもいいのにと

 

かつては、その意志がないからだろうと推測していました。が、そうではなかったのです

 

ついに残すところあと2回となった。第9・10回目はマスクの最大の野望である「火星移住計画」を実現するための企業「Space X(スペースX)」について見ていく。

 

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火星への夢

 

2016年9月27日、航空宇宙の分野で今年最も期待されていたであろう発表がなされた。彼が、火星に居住地を建設するという壮大な計画を明らかにしたのだ。

 

計画を簡単に要約すれば、地球と、隣のやや小さな惑星との間で数千人を輸送する事業を、今後10数年以内に始められるとマスク氏は考えている。さらにその後、おそらく40年から100年後には、火星に100万人が暮らす自給自足できる居住地を建設することを目指すという。

メキシコ・グアダラハラで開かれた国際宇宙会議(IAC)で彼は

 

全員が火星に移り住むということではありません。人類が多惑星種になるということです

 

と語った。それは我々からすればとても無謀な計画にみえる。その点は本人も進んで認めている。

 

かつてNASAの主任技術者を務め、現在はジョージア工科大学で教えるボビー・ブラウン氏は、

「計画の技術的な概要はおおむね正しいと思います。マスク氏はこの計画を簡単だとか、10年以内にできるなどと装ったりはしませんでした」

と評する。

なぜ地球をもっと人間の住みやすいように変える前に火星に行くべきなのか、疑問に思う人もいるだろうが、彼が火星を不可欠と考える理由はシンプルだ。

 

人類の未来は基本的に、2つに1つです。多惑星に生きる種になり、宇宙を飛び回る文明人になるか、1つの惑星にしがみついたまま、何らかの惨事を経て絶滅に至るかです

 

彼は正確なスケジュールはまだ決まっていないと認めつつ、2020年代半ばまでには火星への飛行を始められると考えている。未来の火星への飛行についての動画が当社から発表されているのでぜひ見ていただきたい。

 


動画で確認できるように、使われるのは組み立てると少なくとも60メートルになるという、とてつもなく大きなロケットだ。Space Xが「惑星間輸送システム」と呼ぶ仕組みのシミュレーションでは、幅12メートル近くもあるロケットブースターの先端に、飛行士を乗せた宇宙船が取り付けられ、桁違いの推力で宇宙空間に発射される。42基のラプターエンジンを使い、ブースターは時速8648キロまで加速する。

 

NASAがこれまで製造した中で最大のロケットは、アポロ計画で飛行士を月に送ったサターンVだが、当社のロケットは全体でその3.5倍も強力になる。しかも、発射台もアポロ計画と同じフロリダ州ケープカナベラル、ケネディ宇宙センターの39Aだというのは、おそらく偶然ではないだろう。

 

クルーが乗った宇宙船部分が地球周回軌道に入ると、ブースター部分は自力で方向を制御して、元の発射台に軟着陸を果たす。この離れ業を、スペースXのロケットブースターは1年近く前から成功させている。

 

ロケットの再利用

 

実際、今年に入ってからも当社は3月30日、打ち上げ後に回収したロケットの再利用に成功。ロケットの再利用で宇宙への輸送コストを大幅削減するという同社の構想が実現可能と立証した。彼は同日、 


ここまでに15年かかった。宇宙飛行の革命だ」 


と興奮しながら語った。ロケットは機体が打ち上げコストの約8割を占める。当社はロケットの回収・再利用によって打ち上げ費用を従来の100分の1とする構想を2002年の設立以来掲げていた。現在すでに同社のロケットの燃料タンクは数千回、エンジンは少し補修すれば100回以上の再利用に耐える設計になっている。

 
f:id:rafld9817:20170811172720j:plain 当日打ち上げられたロケット。
 
また6月24日から26日の2日間には、2機の「ファルコン9」ロケットの打ち上げた。

 

24日に打ち上げたのは、今年1月にも打ち上げた機体を再使用したもので、同社にとって2度目のロケット再使用となった。26日の機体は新品だったものの、着陸時に使用する小型の安定翼に、耐熱性などが向上した新型のものが装備された。打ち上げはともに成功し、さらに海上に浮かんだドローン船への着地にも成功した。 

 

現時点での第1段機体の再使用による値下げについて「最大で30%の割引が可能」と言われているが、いずれにしろスペースXが掲げている「100分の1」という目標にはまだ届いていない。

 

話を戻そう。火星に向かうルートに入ると、宇宙船はソーラーパネルを広げて太陽からエネルギーを集め、貴重な推進剤を温存する。彼の構想では、クルーを乗せた宇宙船団は地球と火星が互いに近づく位置関係になるまで地球軌道にとどまる。ちょうどよい配置になるのは26カ月に1度だ。

 

やがては、1000を超す宇宙船が軌道上で待機することになるでしょう。そして、火星移住船団が一つになって目的地を目指します

 

と彼は語る。計画の鍵は、前述した通りさまざまな宇宙船をできる限り再使用することだ。彼は

 

再使用ができない状態で、自立した火星基地を作る方法があるとは思いません。昔の木造帆船が1回きりの使い捨てだったら、今の米国は存在していないでしょう

 

と述べる。彼は各ロケットブースターは1000回、タンカーは100回、宇宙船は12回使えるようにしたいと期待している。不確かではあるが、初期には宇宙船1機に100人が乗り、200人超まで徐々に増やしていく構想だ。

 

そうすれば、計算では最初の宇宙船打ち上げの後、40年から100年で100万人が火星に住むようになる。

もちろん、必ずしも片道の旅ではない。

 

帰還という選択肢を人々に用意するのはとても重要なことだと考えます

 

と彼は述べる。マスク氏によれば、まず2018年に予定している「レッド・ドラゴン」を皮切りに、貨物を積んだ無人宇宙船数機を火星に着陸させる。その後、人が移住する段階へ移るという。

 

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しかし彼は今年の7月、ISS R&D 2017のカンファレンスにて、火星着陸に利用するレッドドラゴンの利用中止を示唆した。
 
このレッド・ドラゴンによる火星探査では、宇宙船が「SuperDraco」という名のエンジン出力により、ゆっくりと火星に降下する「Propulsive Landing」という技術が利用される計画だったのだが、彼は

 

ずっといい方法を思いついたんだ。それを次世代のロケットと宇宙船で試すよ

 

とカンファレンスにて明かし、後のツイートで

 

Powerd Landing(Propulsive Landing)はより大きな宇宙船で試すつもりだ

 

と述べている。

 

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火星移住の大きな課題

 

薄い大気しかない惑星に重い宇宙船を着陸させるのは間違いなく困難が伴う。

NASAの火星探査車キュリオシティは重量約900キロと、彼が提案する宇宙船よりずっと軽かったにも関わらず、ゆっくりと地表に降下させるのは簡単ではなかった。今のところ、彼は再利用可能な自社のブースター「ファルコン9」をモデルとして使いながら、超音速逆推進ロケットの開発を続ける計画だ。

 

これにより、キュリオシティよりはるかに重量のある宇宙船を、火星の表面にゆっくりと安全に降ろすことを目指す。 

 

しかし、宇宙船に必要なのはこれだけではない。

超音速で火星大気の中を進むのは、地球で最も耐熱性に優れた素材でも大きな試練となる。

したがって、高熱の大気突入と逆噴射の着陸に耐えられる宇宙船を設計するのは、決してたやすい仕事ではない。

しかも、宇宙船は燃料を補給して地球に戻り、繰り返し使用されるのだ。火星への最初の旅は物資を届け、推進剤貯蔵施設を火星の表面に設置することが主な目的になるだろう。そのため、惑星間宇宙船も火星に留まり、運ぶのは大半が貨物と燃料、そして少数のクルーになると予想される。加えて初期段階の移住者たちは、火星の表面を掘り進めたり、埋まっている氷を探し出したりするのに長けている必要がある。氷からは貴重な水が得られるほか、移住事業を支える低温メタンの推進剤を作るのにも使えるからだ。

 

次回予告

 

次回で最終回。引き続き「Space X」について述べていく。

 

 

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AIの暴走を阻止するための企業「OpenAI」

 

人間よりもはるかに演算処理能力が高いコンピュータに、「ディープ・ラーニング」という考える力を与えるAIは、ターミネーターの世界のようにいつか人類を凌駕し、機械に支配された世界を実現する危険性を秘めている。

  

第7回目となる今回は2015年にマスクを中心に立ち上げられた,

AIの暴走を阻止するための非営利企業Open AI」について述べる。

 

Open AIとは

2015年12月、マスクは「Open AI」という非営利企業を設立した。彼の共同設立者となったのは数々のITの起業家を支えてきた投資家、Yコンビネーターのサム・アルトマン氏。両氏は数十億ドルずつを負担して「AIの能力を最大限に引き出し、それを誰とでも共有する」企業を生み出した。 

 

人工知能研究はまだまだ発展途上であり、開発にもお金がかかる。そのためそのような研究は多くは民間企業が行う一方で大学や公的機関で行われることもある。しかしこの財源も元を正せば国民の税金であるため、使い方は慎重にならざるを得ない。「結果が出る保証のない研究」や「国民の利益になる確証のない研究」などは行われず、当然それが民間の営利企業であればなおさらのことである。つまり、

 利益を追求しない公的機関の研究においても強い縛りがあるということだ。

 

しかし当社は営利企業であるため、そうした縛りに捉われず自由な研究が望めるのだ。

しかも当社の行う研究は公開されるため、他の企業や公的機関も自由に利用することができる。

 

共同設立者のアルトマンはDropboxAirbnbAmazonにも出資している投資家だ。これらはOpenAIの恩恵を受ける一方で、当社のAI研究開発にとっても非常に重要な企業となり得るだろう。

 

では彼はなぜ、このような企業を作ったのだろうか。

 

それは以前Neuralink(第1回)で説明した通り、彼はAI化時代をはっきりと

「恐れている」

と公言しているからだ。Tesla自身がグーグルのような自動運転システムをモデルSに搭載しており、AIから多くの利益を得ているのだが、

 

人間が技術を使いこなすうちは良いが、いつか機械に支配される時代が来るのでは

 

と、行きすぎたAIの発達に懸念を表明する。 

その懸念の表れとして、設立されたのが当社であると言える。

 

どういう風にしてオープンソースでAI技術を共有することがAIによる世界支配を防ぐことになるのか? 

答えはズバリ「1社がAI技術を独占し、その方向性が外側から決定できない事態を防ぐ」ことにある。例えばAI技術で現在最先端なのは間違いなくグーグルだが、グーグルにすべての技術が集中することをOpenAIがオープンソースによって阻止するということだ。

 

一方でオープンソースにすることで、マスク氏らに利益ももたらされる。誰もが参加できる技術フォーラムにより、世界中のすぐれた頭脳をサイト上で集めることができこれまで自社だけの発想ではたどり着けなかった考え方に触れる可能性がある。またその結果、優れたアイデアを持つ研究者を世界中からリクルートできる、という可能性もある。研究者にとっては自分のアイデアを広く公開するチャンスであり、そこからシリコンバレーの一流企業にスカウトされる可能性もあるのだから、オープンソースへの参加は彼らにとっても利点となり得る。 

 

「ディープ・ラーニング」を推進する上で大切なのはビッグ・データの存在だ。コンピュータが人の思考を学ぶためには膨大なデータの注入が必要となるが、オープンソースにすることでデータ獲得も容易になる。しかし一方で一部の人間がオープンソースのAI技術を悪用する可能性もある。この可能性について彼は、

 

数の勝負になる。世界のほとんどの人は技術の悪用を考えていない。一握りの悪があっても、数の上で善が圧倒するため、技術の悪用は大きなリスクにはならない

 

楽天的だ。つまりどこかで悪用があっても、オープンソース上の技術者たちがこの悪用を阻止するプログラムを生み出す。ソースが同じ技術であるだけに、悪玉潰しはそう困難ではない、ということだ。 

もちろん、AIはビッグ・データを必要とするため、現在開発途上の各社もある程度のオープンソースは行っている。グーグルは昨年11月、AIサービスを行うソフトウェアエンジン、「テンサーフロー」の一部を公開した。フェイスブックも12月にコンピュータサーバー「ビッグサー」のデザインの一部を公開している。公開することにより他者に利益をもたらす反面、他者がそれを改善して自社の利益に反映する期待が込められている。こうした情報公開により、AI全体がさらに精度の高いものへと推進される。ただしグーグルやフェイスブックが行っているのはあくまで「一部」の公開であり、Open AIのようにすべてを公開するものではない。そのため、両社にとってOpen AIはある意味でプレッシャーになりえるだろう。

具体的な活動

当社は2016年4月、「OpenAI Gym」を開発し、オープンソースのコードを公開した。AIシステムに、さまざまなゲームや課題を練習させることができる「ジム」だ。

OpenAIは使い方のガイドで、

「スコアの最大化ではなく、広く適用できるソリューションを見つけることが必要だ」

と述べていた。

このジムは、「複雑で不確かな環境において、エージェントに目標を達成させる方法を研究」する機械学習(強化学習)を研究する場となる。

OpenAIによれば、強化学習の研究は現在「減速」してしまっているが、それは、環境が標準化されていず、よいベンチマークがないという2点が理由だ。OpenAI Gymは「この両方の問題を解決する試み」だ、とOpenAIは説明していた。そしてさらに2016年12月16日にはAIの知能を測定・学習するためのソフトウェアプラットフォーム「Universe(ユニバース)」をリリース。これはいわば「OpenAI Gymの強化版」のようなプラットフォームである。

 

Universeは既存のライブラリであるTensorFlowやTeanoがそのまま使え、人間と同じようにコンピューターを使って様々なタスクを実行させるプラットフォームである。

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具体的にはAIに画面上に表示される映像を認識させ、バーチャル上のキーボードとマウスを使わせることで、様々なタスクを実行させるという仕組みだ。AIが測定・学習に使用するゲームなどはすでに何千種類も存在し、その中にはSlither.ioやGTA Vも含まれている。これらを使用して強化学習でのAI学習を進める。新しく公開されたUniverseはGymにも対応しているため、Gymの利用者もスムーズな環境の移行が可能となる。

 

Universeが提供するゲームライブラリを構築するため、Microsoftを始めとした様々な企業が協力している。

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ゲームの場合、AIはより高いスコアを出せるようプレイ方法を学習していく。そして、ゲームの結果表示されるスコアの数値をもとに、より優れたスコアを出せるようまたAIが学習していくのだ。 
 
OpenAIは AIをオープンソース化するための非営利研究機関と名乗るだけあって、方針通りUniverseのソースコードをGitHub上で公開している。 

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Universeが目指すのは

困難な環境下や未知のタスクに対して素早く学習可能なプラットフォームを提供すること

であるが、これは当社が4月に開発したGymと同様に、自分たちの研究を加速させるという狙いもある。

まだ当社は彼の手がける企業の中では目立った活動は少ないが、彼の目指す「AIが人類の脅威とならない世界」実現のため、そしてさらなるAIの有効的な利用のために重要な役割を果たす企業となるに違いない。

 

次回予告

 

第9・10回ではいよいよマスクが現在手がける企業の中で最初で最大の企業、そして彼の野望である「火星移住計画」を実現するかもしれない、「Space X(スペースエックス)」社について見ていく。

 

残り2回でとうプロジェクトブログも終わりとなる。ぜひ最後まで読んでいってほしい。

 

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Tesla注目の次回作、「Model Y」

過去2回に渡ってTeslaについて見てきたが、いよいよ第7回目となる今回はTeslaの製作する次の自動車と、マスクが踏み込むかもしれない新しい事業について述べる。

 

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Teslaの次なる製品、「Model Y」

 

当社の次のラインナップとして注目されるのが新型電気自動車、「Model Y」である。

当車は前回説明したModel 3をベースに、さらなる低価格で作られる予定だ。

実際、当車のティザー画像がカリフォルニアで行われた株主総会で公式発表された。

 

新型Model Yには期待を寄せている。2019年には新型モデルYが販売される予定だ

 

これについてマスクは以上のようにコメントしている。

 

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公開されたティザー画像。この画像からはほとんど内容がわからない状態だ。

 

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こちらはTwitter上であがっているModel Yの画像。

 

この車には今までのModel SやModel 3で採用されていた既存のSUVプラットフォームではなく、新たに設計された新型プラットフォームが採用される予定。

詳しいスペックなどは未だ発表されていないが、9月に発表される当社の新型EVピックアップトラックと同時にアナウンスされる見通しだ。

 

実は当社の次のラインナップとして、低価格SUVのモデルYが登場するのではと前から噂されてきた。
この噂の出どころは、彼が自身のTwitterで「model 3とModel Yで計画中だ」と発言したこと。その後、このツイートはすぐに削除されていた。
しかし、この噂は実現。新型Model Yが登場予定になっているのだ。

 

当社の新型SUVとして噂されている「Tesla Model Y」だが、同社のエントリーモデルの新型セダン「Tesla Model 3」とプラットフォームを共有するようだ。
彼は、Model SをベースにModel Xを作ったことを失敗と捉えており、当車のプラットフォームは新開発すると述べていた。
しかし、Model 3のアーキテクチャーを流用した実現可能性のほうが高いという報告を受けて、方向転換した模様。

彼は世界中のSUV需要の高まりを見て、一刻も早くTeslaからSUVモデルを発売したいと考えており、Model 3のプラットフォームを流用することで、コストを削減・製造工程などの合理化を図ろうとしている。

 

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以上はアメリカのメディアが公開したModel Yの予想画像

 

当社の製品で話題となったのはModel Xに搭載されたファルコンウィングと呼ばれるドア。

 

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Model 3より低価格であると仮定するとこのドアの実現は難しそうに見えるが、Twitter上で「Model 3のクロスオーバー版にはファルコンウィングが搭載されるか?」という質問に対し、彼は「Model 3とModel Yのうち、どちらか一方には搭載される予定だよ」と答えていることから、Model 3に搭載されていない以上Yで搭載される可能性もあるようだ。(既にツイートは削除済み)

 

3はこれまでの製品と比べて低価格のモデルとして開発された。
ただ、低価格でありながらもかなりの高性能で、満を持して世に送り出されたモデル。
だからこそ、プラットフォームとしてかなり完成していて、これから増やしていくと思われる低価格モデルのラインナップのベースは全てモデル3となると予想することができる。
そのため、新型「Moel Y」のスペックについても3とほぼ同等になるものと予想される。

 

また、3はSの低価格版と言われていて、Yも同様にXの低価格版という位置付けになると予想される。
したがって、SとXの価格差およそ1万ドルを、3の3万5000ドルに足した4万5千ドル約500万円~)になると推測できる。


Xの大きな特徴であったファルコンウィングの有無が、XがSに比べて高額になっている大きな要因となっていることから、先ほど紹介した予想画像のように、ファルコンウィングが実装されなかった場合は今回の予想より下がる可能性も考えられる

 

彼は今年の3月にTwitterで新型コンパクトSUVModel Yは、数年の内に発売される、という内容のツイートを残している。


モルガン・スタンレーのアナリストであるアダム・ジョナス氏によると、Xをより小さく、安くしたようなYは、テスラのベストセラー商品になると予想している。
そして彼はベストセラーになること以外にも、同社のオンデマンドライドシェア事業「Tesla Mobility(テスラモビリティ)」にも、積載量やシートアレンジの豊富さから採用されるのではないかと、考えています。

 

まだ詳しい内容が公式に発表されていない以上、Model Yの概要は予想の範囲を超えないが、それでも予約台数50万台を記録したModel 3の後を飾る製品が登場するとなれば、期待は高まるばかりだ。

 

Teslaがついに音楽業界へ

 

ニュースサイトRecodeの報道によると、当社は独自の音楽ストリーミングサービスの立ち上げを検討中だという。関係筋によると当社は既に音楽レーベル関係者らと会談を重ね、有名アーティストの楽曲の配信権取得に関し、交渉中。

Teslaのストリーミングサービスは、急増中のテスラオーナーらが対象になると見られる。自動車業界で当社は依然としてニッチなプレイヤーではあるものの、電気自動車業界を開拓し、世界でその期待値も高い当社のサービスとなれば、既存顧客のキープはもちろん新顧客獲得のセールスポイントにもなり得る。

実際のところ現状で既に、Model 3を始め車内で他社のストリーミングサービスは簡単に利用できる。しかし、マスクを始め、当社の社員らは同社のプロダクトの独自性をより高めたい意思を持っており、それは潜在的な顧客の関心を高めることにつながるだろう。

 

もちろん、Teslaのストリーミングサービスが当社の車内以外からでも聴けるものになる可能性もあるが、Recodeの記事はそこには言及していない。また、サービスの立ち上げ時期についても不明だ。

一つだけ明確にされているのは、当社のストリーミングは価格に応じて様々なオプションが利用可能になるという事だ。この点でTeslaのオーナーだけでなく音楽ファンに対しても幅広くアピールできるサービスになる可能性がある。

この件に関し、当社は次のようなコメントを残した。

 

「当社はTeslaでしか味わえない車内体験が非常に重要であると考えている。そのため、好きな音楽を様々な方法で楽しめる環境を提供している。我々のゴールは非常にシンプルなものであり、それは顧客らに最大の喜びを与えることだ」

 

今回の報道が事実だとすると、マスクが初めて音楽サービスの領域に乗り出したことになる。自動車から太陽光発電、さらには宇宙までイノベーションの領域を広げ続けている彼が、音楽ビジネスに参入するのは少々意外な気もするが、各分野で世界に大きな驚きを与えてきた彼であれば、また話題となるようなサービスを提供してくれるかもしれない。

 

次回予告

次回は、第1回の Neuralinkの記事でも述べた、「AIが人類を追い越し、人類にとって脅威となり得る」ことを懸念するマスクが、AIを有効的に利用することを促すために設立した営利企業Open AI(オープン エーアイ)」について述べる。

 

 

 

 

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Teslaの最高傑作、「Model 3」

第6回目は、前回に引き続き電気自動車企業の「Tesla(テスラ)」について述べるが、今回は、先日Teslaが発表した一般消費者向けのセダン車『Model 3』の特徴とその評価、また問題点について詳しく見ていく。

 

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Model 3の特徴と価格

 

Teslaは2017年7月28日、新型セダンの『Model 3』の出荷を開始し、予約注文していた最初の30人に納入した(最初の30人に選ばれたのは主にテスラ関係者ではないかと言われている。これは実車を本社近くに置くことでトラブルが発生した際に迅速に対応し、その後の生産に反映できることが理由ではないかと見られている)

同モデルの予約台数はすでに50万台を超えており、テスラは生産台数を8月に100台9月に1500台、さらに12月には2万台とすることを目指している。

 

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マスクは当初の約束どおり、Model 3を3万5000ドル(約387万円)で発売した。日本での販売価格は納車時期の為替レートに輸送コスト、その他諸経費が加算されると当社ホームページに記載があるため、最低価格はこの値段よりも多少高くなることが予想される。

また、Model 3の主な特徴として

  • 1回の充電での航続距離が345km
  • 6秒以下で100km/hまで加速
  • 5人乗り
  • 安全性評価で5つ星
  • オプションで自動運転機能を追加可能
  • スーパーチャージャー(アクセルがかかりやすい・軽量)

が挙げられる。

 

そして、内装のデザインにも他とは違うこだわりがある。Model 3は一般的な乗用車が持つメーターパネルがなく、センターコンソールの部分に大きなディスプレイを配置

全ての情報がこのディスプレイに表示され、エアコンの温度調整やマップ表示等もここから行う。

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また、着目すべきは走行可能距離1マイルに対する車両価格である。車両価格が4万4000ドルの長距離バッテリー使用の場合、1マイルあたりの車両価格は142ドル。これは他のEVに比べて最も安い単価となっている。

 

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充電に関しては、テスラ独自の急速チャージャー、「スーパーチャージャー」が利用可能。30分の充電時間で、ベースグレードがおよそ210km走行分、ロングレンジグレードがおよそ275km走行分を充電できる。

 

また当社は最初の出荷分の納車と共に、Model 3に追加できるオプションとそれらの価格を公開した。購入者がこれらを希望した場合、Model 3にかかる費用は、どのくらい増えることになるのだろうか。

 

Model 3は1回の充電での航続距離が220マイル(約345km)だが、310マイル(約499km)の長距離用バッテリーにアップグレードしたい場合には9000ドルがかかる。また、オートパイロット(自動運転)機能を付けるには5000ドルを上乗せする必要があるほか、「完全自動運転」技術の提供が可能になった時点でそれを導入するには、追加で3000ドルを支払う必要がある。

 

オプションを付けた場合の具体的な購入額は、次のとおりだ。

 

  • 基本価格(航続距離220マイル):  3万5000ドル
  • 航続距離310マイルにアップグレード: 4万4000ドル(基本価格+25%)
  • オートパイロット機能を搭載: 4万9000ドル(基本価格+40%)
  • 完全自動運転機能にアップグレード: 5万2000ドル(基本価格+49%)

 

購入者はModel 3を予約する際、バッテリーをどちらにするか選択する必要がある。これについては、多くが航続距離310マイルの「長距離モデル」を選ぶと見られる(テスラから出た2番目の車種であるModel Sは近年のEVでは他社に比べ一番航続距離が長い点が特徴的だが、その航続距離が310マイル)。そして、その際の4万4000ドルという価格は、モデル3の売り上げを左右することにはならないと考えられる。

 

さらに、バッテリーを航続距離310マイルにした人の多くは、5000ドルを払ってオートパイロット機能を付けると予想される。その理由としては、長距離を走る人の方が自動運転機能を使う機会が増えること、搭載した方が車の残余価値が高まることなどが挙げられる

 

 

テスラのウェブサイトによると、航続距離310マイルのバッテリー搭載で注文を受けた分については今年11~12月に納車。その後、来年1月〜3月には基本価格の3万5000ドルで予約を受けた分について生産・納車する予定だ。

 

Model 3の課題

しかしなんと言ってもTeslaの課題は大量生産にある。

同社のイーロン・マスク最高経営者(CEO)は報道陣の前で、同社が少なくとも向こう6か月の「生産地獄」を経験すると述べた。そして、その後に行った従業員を前にしたスピーチの中では、この期間を9か月に延長した。同社が当初計画しているモデル3の生産台数は、恐ろしく少ない。先ほど述べたように8月は100台の予定だ。

 

「飛躍的な生産数の増加」「Sカーブ(型の増産計画)」といった表現を聞いたことがない。

自動車部品の供給は過去25年間、無駄のない、「必要数ぴったりの」在庫を保つ習慣を身に付けてきた。そうすることで、急激な増産とその後の生産量の維持を可能にしてきたのだ。

こうした増産計画を図で示すなら、生産量はマスクが言うような「S字」ではなく「ルート(根号)」の一部のようになるはずだ。そして、世界中のどの大手自動車メーカーも、後者の図を描くような形で生産数を引き上げている。なぜかと言えば、それが最もコスト面で無駄がないからだ。

 

テスラを除いた各国の自動車メーカーは、いずれも自動車業界の低迷による打撃を何度も経験している。そのため、できる限り迅速に生産台数を最大限に引き上げることが可能な体制の維持は、各社にとっての必須事項となっている。

 

つまり、S字型の生産戦略をとるマスクの計画は、本格生産を開始するにあたって最も資金面で無駄が多いということになる。

 

モデル3は今後、他に資金を頼らない存在になるか、あるいは外部からの資本調達を可能にするものにならなくてはいけないということだ。そして、この点において時間は最も重要な要素となる。

さらに、テスラにとっては現金保有額も重要な数字だ。今年3月末時点では40億ドルとされており、この額が6月末時点でどう変わっていたのか、非常に興味深いところだ。マスクは今年1月からモデル3の発売までに20億ドルを費やしたことを明らかにしている。第2四半期中には資金調達を行っていないことから、テスラは同期の決算でキャッシュフローのマイナスを報告すると考えるのが妥当といえるだろう。

そしてやはり、その懸念は的中した。

当社は2025年償還の無担保優先債を15億ドル(約1663億円)発行する計画を発表したのだ。

調達資金は、最も手ごろな価格の「モデル3」関連の支出を支えるためバランスシート強化などに充てる。ブルームバーグのデータによれば、同社が起債するのは転換社債以外では初めて。  

同社は4-6月期(第2四半期)にモデル3の生産能力強化やバッテリーの増産に投資を行い、フリーキャッシュフロー(純現金収支)は過去最大の11億6000万ドルの赤字を計上。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は先週、業績発表後の投資家との電話会議で、株式ではなく社債の発行を検討していると明らかにしていた。

 

 

同社の発表を受け、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は同社の見通しを「ネガティブ」で確認。社債格付けは投機的(ジャンク)等級の「B─」とした。同社の長期信用格付けも「B─」で据え置いた。

しかしS&Pは声明で、年内の「モデル3」ローンチや「モデルS」と「モデルX」の増産によりコストが予想より膨らんだ場合、格付けを引き下げる可能性があるとした。

 

Model 3は多くの人にとって非常に魅力的な製品であることは疑いないが、会社と株主、そしてマスク自身にとっては苦しい展開を強いられることになる。

 

今後彼がどのような販売戦略をとるのか、注目したい。

 

次回予告

 

次回はTeslaの今後の新しい製品、そして驚くべき噂について述べていきたい。

 

 

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Tesla発の電気自動車、3種類。

これから第5〜7回の前・中・後編に渡って、マスクの2大事業の一角を占める電気自動車企業、「Tesla(テスラ)」(社名は発明家のニコラ・テスラに由来)について述べていく。

その中でも第5回では、テスラの成り立ち、そしてその目指す世界について述べる。

 

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電気自動車企業「Tesla」とは

 

テスラは、電気自動車がガソリン車を超えられることを証明したいと願ったシリコンバレーのエンジニア数名により、2003年に設立されました。テスラの電気自動車は、瞬時に得られるトルク、絶大なパワー、ゼロエミッションを誇る妥協のない車です。世代が新しくなる度に車の価格は下がり、「持続可能なエネルギーへ、世界の移行を加速する」という、テスラのミッションの達成に近づきます。 

 

 と、Teslaのサイトホームページにあるように、当社はマスクが設立した訳ではない。

「持続可能なエネルギーへ、世界の移行を加速する」

という彼自身の夢を実現するために、エバーハード(後にマスクとの衝突で辞任)らの創設したTeslaに投資家として参画し、当社の筆頭株主兼会長職に就いたのである。

 

電気自動車のスポーツカー、「ロードスター

 

当社の最初の製品であるロードスターの開発には莫大な時間を有した。

度重なる実験(コンピュータ技術の進歩により、シミュレーションでの実験も行うことが可能であった)、またベンチャーゆえに可能であった自力での部品生産等の末、電池技術の開発は早い段階で完成したのだが、ボディの形状や機能の面で問題が発生。

こうした設計上のポイントについてマスクの意向は大きく、その結果外観をデザイナーに委託し、2005年4月に実寸大のモデルを完成させた。

2006年には投資家やマスコミの前で試乗会を行い、集まった人々を熱狂させた。

その場で彼は、

 

「これまでの“100%電気自動車”は実にお粗末だった」

 

と述べ、ロードスターへの自信をうかがわせたが、マスクの変更の命令により、プロジェクトの進行は遅れた。彼はとにかく快適性にこだわり、シートやドアに至るまで変更に次ぐ変更を要求したのだ。

 

2007年には従業員数が260人に増え、量産に取り掛かろうとするも、技術、人材等様々な問題が山積し、TeslaもCEOを交代させ、最終的にはマスクの傀儡政権と言えるCEOに指揮をとらせた。マスク自身もスペースXとの掛け持ちで破産寸前まで追い込まれるも、ついに2008年、ロードスター出荷にこぎつけた。

 

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ロードスターは、リチウムイオン バッテリーを搭載し、1回の充電で最長394 kmの航続距離と3.9秒で時速100 kmまで加速する加速性能で、EVの新基準を確立。日本円で1,000万以上の価格であったのにも関わらず、当社は2,400台以上のこのスポーツカーを30カ国以上の国々で販売した。

 

世界初のEVセダン、「Model S」

当社は2012年には、世界初のプレミアムEVセダンであるModel Sを発売。

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100%電気自動車となるようゼロから開発されたModel Sは、4ドア自動車のすべてのコンセプトを覆した。
  • 7人が乗れるスペース
  • 1,800リッター超の荷室容量
  • 最大航続距離500km以上
  • ファミリーセダンの快適さと利便性
  • 約5秒で時速100 kmまで加速
という特徴を持つ。しかもその後、量産型EVとしては初めて連続航続距離1,000kmを達成したことを、当車のオーナーズクラブである「テスラ・オーナーズ・イタリア」が発表した。これは当社が公開していた500kmという航続距離を大きく上回る数字だ。具体的にはModel Sは、たった1度の充電で1,078kmを走行することに成功したそう。
当時の日本を代表するEV車であった「日産リーフ(30kWhモデル)」ですら、最長航続距離が280kmであることを踏まえるとその凄まじさがわかる。
バッテリーパックはシャシーと一体化して乗車スペースの下に位置するため、車の重心が下がり卓越したロードホールディングとハンドリングを可能にした。
Model Sは米モータートレンド誌の2013年カーオブザイヤーに選ばれ、米国家道路交通安全局による安全性試験で5つ星評価を獲得している。
価格は当初発表されていたベースモデルが5000ドル安くなり6万9500ドルからの販売に。
価格が安くなる背景には、 TeslaがModel Sの60kWhモデルの製造の中止がある。
60kWhモデルの製造を中止し、残りの在庫のみの販売に絞ることで価格改定が実現した。

「Model X」

Model Xは当社としては3車種目となる電気自動車。高機能なSUVを目指して開発されたModel Xは、同社の人気セダン、Model Sと同じシャシーを採用することで低重心化に成功している。

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全長5mを超える大型SUVとなり、7名の乗車定員に加えて豊富な収納スペースが確保されている。Model Xは全モデルでAWD方式の駆動方式を採用し、前後それぞれに搭載されたモーターがホイールを駆動させる。前後モーター合計の出力は470馬力となり、EV車では困難とされていた牽引も実現可能となった、ハイパワーなSUVだ。

2017年1月には新グレード「100D」が追加され、航続可能距離をさらに伸ばしながらも販売価格を引き下げられている。

テスラ モデルXにはルーディクラスと呼ばれる加速モードが搭載。0‐96km/h加速は2.9秒の驚異的な加速性能を持たらしています。またバッテリーも蓄電容量が100kWhへと容量アップしました。このバッテリーの容量アップによって、最大航続可能距離が542kmとなることが予想されています。最高速度は時速250km。

特徴的なのは何と言っても後部座席に採用されたファルコンウィング。ファルコンウィングがSUVに採用されるのは非常に珍しい。

通常のドアでは乗り込むことが困難な狭いスペースでも、これによって2、3列目シートに簡単に乗り込むことが可能になる。

価格に関して、Model Xには75kWh、90kWh、100kWhの3種類のバッテリーサイズが用意され、価格は約980万円~1611万円となっている。また予約には別途50万円が必要。
また、「Model S」と「Model X」にソフトウェアアップデート8.0を配信され、パネルの操作性が格段にアップ。また、子供やペット向けの新しい安全機能としてオーバーヒートプロテクション機能が実装された。パネル面では、メディアプレーヤー・音声コントロール・ナビがグレードアップ。また、子供やお年寄り・ペットに対しての安全機能として、車内を適度な気温に保つことができるキャビンオーバーヒートプロテクションを実装した。これに加え、車両周辺の情報を3Dで再現することが可能になり、渋滞時でも快適に走行できるように自動運転機能が調節される機能も追加された。そのため、前方を走るクルマ2台分を見通すことも可能に。
そして今年の7月28日にはついに当社の新モデル、Model 3が発売された。のだが、それについては次回取り扱うことにする。

充電設備

充電に関してだが、オーナーは車を自宅で充電できるため、ガソリンスタンドへ行く必要もなければガソリンに1銭足りとも使う必要もない。長距離ドライブでは最速20分でバッテリーを半分まで充電することができるスーパーチャージャーネットワークを一定量無料で利用できるが、現時点で日本においては十数か所しかないのがネックとなっている。世界全体としては、北米、ヨーロッパ、そしてアジア太平洋地域の人気のルートを繋いでいるという状況だ。

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テスラの自動車は、カリフォルニア州フリーモントにある工場で生産されている。この工場は以前、トヨタゼネラルモーターズ合弁会社NUMMIが使用していた(今こそ解消されてしまったが、以前トヨタとテスラは技術提携の約束をしていた)。この工場では毎週2,000台の車を生産することが可能。

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工場の外観

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工場内での製造の様子

テスラはただの自動車メーカーではありません。エネルギー イノベーションに力を注ぐ、テクノロジー会社であり、デザイン会社でもあります。
とホームページに記載がある通り、Teslaは持続可能なエネルギー開発に向けてあらゆる分野からアプローチし、それを実現しようとしているのだ。

 次回予告

「Tesla」記事の中編となる次回は、7月28日に納入されたTeslaの新製品「Model 3」の特徴と、その課題について見ていく。
 

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発電した電気を自動車に。

第4回目となる今回は前編に引き続き、マスクの手がけるエネルギー開発事業、SolarCityの買収と、今後の動向について詳しく見ていきたい。

 

 

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SolarCity、買収

そして2016年6月、彼はSolarCityに対してある提案を持ちかけた。

TeslaによるSolarCityの買収だ。

 

前に述べたようにSolarCityの課題は安定供給と低価格化だった。

当社は2012年時点ですでに赤字体質となっており、価格設定を頻繁に変更するなど黒字化には苦労していた。

 

さらに2016年には数百万ドルの損失を出し続け、株価の評価も下がっていたのだ。そのため、Teslaが買収するには比較的簡単になった。

その場合、当社の時価総額である21億4000万ドルから21%から30%の上乗せ価格での買収となる。つまり、TeslaはSolarCityを25億9000万ドルから27億8000万ドルの間で買収する計算だ。

実際SolarCityの株価は買収提案の発表後、20%跳ね上がった。SolarCityのバリューに対する上乗せ分は、発表後数時間で随分と少なくなったことを意味する。

 

その一方でTeslaの株価は時間外取引で13%下がった。この買収案件は、SolarCityの救済措置だと考える人もいるからだ。Muskが保有する22.2%の株は、Teslaが買収することで救済される。今日の発表があるまで、SolarCityの株価は昨年12月より50ドルも値を下げ、21ドル付近を推移していた。このまま株価が下がり続ければ、Muskは多額の資金を失う。Teslaは自分たちでソーラービジネスを構築することもでき、株価がさらに下がるようならその時にSolayCityの資産を買収することもできる。

しかし、そうすると二つの企業を掛け持ちするMusk自身の資産が何千万ドルと目減りすることになってしまうのだ。

つまりなるべく早い段階での買収提案は彼にとって合理的な判断だと言える。

Musk、そしてTeslaとSolarCityのどちらでも役員を務めるAntonio Graciasは買収提案に関する決議には参加しない。Teslaは、乗っ取るのではなく、あくまで友好的に買収を進めたいと伝えた。

 

そしてその年の11月、ついに買収が決定した。

 買収の正式決定に際し、Teslaは簡単なコメントを発表している。

TeslaによるSolarCity買収が今朝正式に決定し、それを皆様に発表できたことを私たちは嬉しく思います。

 

マスクが今年6月にこの買収を提案して以降、彼は頻繁にSolarCity買収の重要性を主張してきたことを踏まえると、このコメントは簡潔かつ控えめなものだと言えるだろう。この2社の統合は、消費者にエネルギーの生産方法、貯蓄方法、そして消費方法のすべてを提供するというMuskの「マスタープラン」を実行するうえで欠かせない要素だった。

 

このマスタープランは、彼が目指す世界を実現するために、彼の会社(SpaceXやTesla)を通して実行するべき計画のことだ。

 

最初のマスタープランは2006年に公開された。その内容は、

採掘しては燃やす炭化水素社会から、私が主要な持続可能ソリューションの1つであると考えるソーラー発電社会へのシフトを加速すること。

 具体的には

  1. スポーツカーを作る
  2. その売上で手頃な価格のクルマを作る
  3. さらにその売上でもっと手頃な価格のクルマを作る
  4. 上記を進めながら、ゼロエミッションの発電オプションを提供する
  5. の4つである。
  6. www.tesla.com

そしてその10年後、彼は新しくマスタープランのパート2を発表した。

それが以下の通り。

バッテリーストレージとシームレスに統合された素晴らしいソーラールーフを作る 

すべての主要セグメントをカバーできるようEVの製品ラインナップを拡大する

人が運転するよりも10倍安全な自動運転機能を開発する

クルマを使っていない間、そのクルマでオーナーが収入を得られるようにする

 

 そしてそこでも彼は彼の目指す壮大なビジョンを次のように語った。

 

私たちが目指しているのは、今も昔も変わらず、持続可能エネルギーの台頭を加速し、未来の良い生活を守ることです。それが「持続可能性」の意味するものです。突飛なヒッピーの間だけのものではなく、すべての人に関わることです。

原則として、私たちがどこかの時点で持続可能なエネルギー経済を達成しなければ、化石燃料を燃やし尽くし、文明は崩壊します。いずれにせよ化石燃料への依存を断たなければならず、ほぼすべての科学者が大気中と海中の炭素レベルを大幅に増やし続けることは狂っているということに同意していることを踏まえると、持続可能性を達成できるのが早ければ早いほど良いということになります。

 

だからこそ今回のSolarCity買収がなされなければならなかったのだ。

 

バッテリーとソーラーパネルをスムーズに統合した、美しく、間違いなく機能する製品を作ることで、一人ひとりが自分の電気を作れるようにし、それを世界規模で展開します。注文、設置、サービス契約、スマートフォンアプリはすべて一元管理します。

これはテスラとソーラーシティが別々の会社であったならば上手く行きません。そのため、私たちはこの2社を統合し、別々の会社であるためにできる壁を壊す必要があります。この2社が、同じような起源と、持続可能エネルギー経済を達成するという共通の重大な目的を持つにも関わらず別々の会社であるのは、歴史の偶然によるものです。テスラがPowerwallを大量生産し、ソーラーシティが高度に分化したソーラーを提供できるようになった今こそ、この2社を1つにする時です。

www.tesla.com

  

彼は、このTeslaとTesla Energyに加え、SolarCityの太陽光パネルのビジネスを統合することで、

 

太陽光発電(SolarCity)→蓄電(Tesla Energy)→利用(Tesla)

 

という太陽光をベースにしたend to endの「クリーンエネルギーの垂直統合サービス」を一社で実現しようとしている。

電気自動車Teslaという川下からスタートし、Tesla Energy、そして太陽光発電のSolar Cityと、一社でクリーンエネルギーのエコシステムを作り上げることができるようになるのだ。

 

自宅に太陽光発電パネルを設置し、Powerwallのバッチリーがあり、そこから充電したTeslaSで仕事に向かう。「個人利用」としても十分に価値のあるプラットフォームとなると思うが、多くのTeslaユーザが連携して「スマートグリッド的」に活用するという世界がすぐに来るだろうと考えている。

今でもTesla自身が設置した充電ステーションを利用することにより全米横断も可能だが、PowerwallがIoT化し、ブロックチェーン対応すれば、TeslaSの充電が必要というときに、近くにあるPowerwallとTeslaSがスマートコントラクトを結び、代金を支払い、充電を行うということが可能となる。Teslaユーザ全体がIoTでネットワーク化され、需要と供給に応じて電力を融通することができるのだ。

 

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 写真:Tesla HP

 

先日、Teslaは屋根に取り付けるソーラーパネルをローンチしている。マスクにとって、電力をクリーンな方法で発電することと、その電力を使用した電気自動車をつくることは、本質的には同じことなのだろう。全体の二酸化炭素排出量を減らすうえで、低コストでクリーンな発電方法を普及させることは、クリーンなクルマをつくることと同じくらい重要だ。それを踏まえれば、彼のその考えは筋の通ったものだと言える。

 

Teslaは、この買収の理由が理にかなっていることを以下のように説明する。

「私たちはカスタマーに一貫したクリーンエネルギーのプロダクトを提供する世界で唯一の垂直統合型のエネルギー企業となります。カスタマーが運転する車から始まり、それを充電するためのエネルギー源の確保、そして自宅や会社の電力の全てを賄うまでが完結します。Model S、Model X、Model 3、ソーラーパネルシステム、パワーウォールの全てが揃うことで、エネルギーを最も効率的で持続可能な方法で配分し、消費することができるようになります。カスタマーのコストが下がり、従来の石油燃料や電力網への依存を最小限に留めることができます」

  

そして、新しいエネルギーシステムへ

 SolarCityの設立、TeslaEnergyの立ち上げ、そしてSolarCityの買収を経て、マスクは新しいエネルギーシステムの開発を成し遂げようとしている。

 

その後、Teslaが新しく開発した強化ガラス製のソーラールーフは通常の3倍の強度を誇り、電力も30年保証。しかも個々のエネルギー需要に応じて発電量をカスタマイズできるという。しかも自宅の外観に合わせたソーラーパネル(まさに「屋根」と呼ぶにふさわしいデザイン)なのである。

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写真:Tesla HP 

統合後はSolarCityが採用していた初期費用無料、月額固定制のビジネスモデルをやめ、従来の買い切りのモデルに変更した。

確かにその優れたデザインやTeslaの他製品との共有が可能という点では(特にTesla製品のユーザーにとって)非常に有用であるが、太陽光発電・その蓄電だけに着目すると、まだ他社製品と比べて値段が安いとは言えない。

 

それでも彼が目指す、消費者の手に届きやすいエネルギー開発もあと少しのところまで来ている。低価格化は常に課題となるだろうが、発電・蓄電・使用を一括化したTeslaが今後どこまで消費者の使いやすいエネルギーシステムを開発できるのか、期待したい。

 

 

 

次回予告

次回はついに、今まで何度も話の中で登場し、 彼が最高の経営者と呼ばれる所以はこのにあると言っても過言ではない「Tesla」という企業、そして当社が目指すビジョンについて数回にわたり、見ていきたいと思う。

 

 ではまた。

 

 

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